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マウスピース型装置は数多くありますが、当院では世界的に最も使用されているインビザラインを採用しています。
インビザラインは、患者様ひとりひとりの歯に合わせて作製される「インビザライン・アライナー」を装着することで段階的に歯を動かす矯正歯科治療です。
これまでに世界100ヶ国以上、600万人を超える方々がインビザラインで矯正歯科治療をされています。(2018年12月現在)
※「完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。」
インビザライン・アライナーは透明に近く目立たないため、装着していることがわかりにくく審美的です。また、舌側矯正歯科治療と異なり、発音にも影響が少ないです。そのため、営業・接客業など人前に出るお仕事の方にも非常に使いやすい装置です。
食事や歯磨きのときはアライナーを取り外すことができるため、普段通りに歯のお手入れができ、お口の中を衛生的に保つことができ、お食事制限も基本的にはありません。楽器やスポーツなども特に制限なく楽しむことができます。
ワイヤーやブラケットを使用しないため、ワイヤー矯正と異なり、矯正装置が外れて突発的な通院が必要になることが少ない装置です。
使用開始直後でも口の中の違和感が少ないのも特徴です。
アライナー(マウスピース装置)は1日22時間以上を目安に装着して頂きます。
装着時間が少ない場合、治療期間が長期化したり、理想的な治療結果が得られない可能性があります。装着時間が少ないままアライナーの枚数を進めても、想定した歯の動きと実際の歯の動きの乖離が大きくなり、アライナーがしっかり入らなくなります。そのような状態でいくら装着時間を後から伸ばしたとしても、きちんと治りません。
ガタガタ(叢生)の程度が強かったり、大幅な歯の移動を要する症例、骨格的なずれが大きい症例はインビザラインでは治しきれないことがわかっています。その場合はワイヤー矯正をおすすめすることがあります。
また、マウスピース装置だけでは治療が困難な場合は、部分的にワイヤーを使用したり、ゴムの使用が必要であったりと、付加的な装置や工夫が必要となる事もあります。
マウスピース矯正では治療途中にむし歯治療にて歯の形が変わってしまうと準備していたアライナーがそれ以降全て入らなくなってしまいます。そうなると、また精密な歯型を取り直す必要がでてくるため、アライナーの再設計、製造に約2ヶ月かかってしまいます。このようなことを繰り返してしまうと、無駄に治療が長期化する原因となってしまいます。
当院では、状態がよくない歯など、かぶせ直しが想定される歯についてはマウスピース矯正歯科治療前にしっかりと治療を行い、インビザライン治療の途中で空白の期間がでないように、なるべく治療期間を短くする工夫をしています。
インビザラインでは、アタッチメントと呼ばれる突起物を歯の表面に装着します。アタッチメントは歯科用のプラスチック樹脂でできており、むし歯治療の際に使用するものと全く一緒です。
アタッチメントがあることで歯に加わる力を細かく調整することができ、歯を効率よく動かすことができます。
アタッチメントにも形の種類があったり、一つの歯に2か所つけたりと様々です。治療計画の時点でどの歯にどのアタッチメントを何個つけるかというところまで細かく治療計画を立てます。インビザライン治療がスムーズにすすむかどうかがこの治療計画で決まってしまうほど重要な要素です。
横からの写真では目をこらしても見てもかなりわかりにくいかと思いますが、上からの写真では歯の表面にポチポチとアタッチメントがついているのが良くわかるかと思います。
インビザラインでは、マウスピースを装着するだけと思われている方が多いのですが、実際はアタッチメントをほぼ100%付けることとなります。上の一番前歯のアタッチメントは目立ちやすいので極力つけずに治療計画を立てますが、どうしてもアタッチメントを付けざるを得ないこともあります。
アタッチメントをつけることで歯を動かす力がより加わるため、アタッチメントがない場合と比べると痛みが増す可能性は高いです。しかしワイヤー矯正に比べると歯の移動量が少しづつであることもあり、痛みは少ないと言われています。
アタッチメント自体は歯の表面につくので、舌で触ったときに違和感がありますが、普段は上からマウスピースを使用しているので口内炎ができることはありません。しかし、食事の際にマウスピースを外すので、アタッチメントが頬に引っかかるなどして口内炎ができる可能性はありますが、これもワイヤー矯正に比べると圧倒的に起こりにくいです。
アタッチメントの色は、その人の歯の色に合わせて選択するため、ぱっと見ただけではわからないことがほとんどです。しかし、アタッチメントを設置すると、歯の表面に凹凸が生じるため、着色汚れが付きやすくなります。特に濃い色の飲食物(コーヒー、カレー、赤ワインなど)で着色しやすくなるので注意が必要です。
アタッチメントは矯正治療が終了したら外すものなので、外せるように装着しています。そのため、力ずくでマウスピースを外したりなど過度の力がかかったりすると、アタッチメントが取れてしまうこともあります。アタッチメントが取れてしまっても、すぐに支障が出るというわけではありませんが、治療の状況によっては、アタッチメントが脱落した状態が長く続くと、治療期間の延長につながる場合もあります。来院された際はアタッチメントの脱離がないかを確認しますが、ご自身で脱離したことがわかっている場合は歯科医師へお伝えください。
インビザラインはその装置の特性上、歯を押して動かすのが得意な装置です。反対に歯同士を引きあって動かすのが苦手とも言えます。
歯を抜いて矯正治療を行うことがあるのは皆さんなんとなくご存じかと思います。やはりスペース不足が顕著であると歯を抜歯することでスペースを確保せざるを得ないといけないことがありますが、歯を抜歯した場合は歯の隙間に対し両サイドの歯を引き合うことでスペースを閉じていくこととなります。
つまり、上記のような歯を抜歯しスペースを閉じるために引き合う動きが必要な治療計画は、インビザラインは比較的向いてない装置といえます。
上記の理由から抜歯を伴う矯正治療が苦手であることに間違いありません。しかし、すべての抜歯矯正でインビザラインが使用できないというわけではありません。アタッチメントという歯の突起の配置や、顎間ゴムを使用することで苦手な歯の動きを補完するように治療計画を立てることで従来であれば難しかった抜歯矯正も可能になってきています。
ただし、抜歯をしない矯正の方が得意な装置であることに間違いはありません。できるだけ歯を抜かずに矯正治療をするためにスペースを確保する方法として「IPR」と呼ばれる方法があります。IPRは歯を削って小さくすることでディスキングやストリッピングなどと呼ばれることもあります。
IPRつまり歯を削って小さくすることで、スペースを確保したり、左右や上下で歯の大きさが大きく異なる場合の調整を行います。歯の削合はエナメル質と呼ばれる歯の質が丈夫なエリアでしかできないため、日本人の場合、歯と歯の間に対して0.5㎜くらいが限度となることが多いです。歯の隙間すべて削合したとしても5㎜くらいしかスペースが確保できないので抜歯に比べるとスペースの獲得量はだいぶ少なくはなってしまいますが、そのスペースを利用することで抜歯を避けることが可能となることが多いです。歯の大きさの左右差の改善にはIPRだけでなく歯の形態修正(ダイレクトボンディング)を行い歯の大きさを膨らませる治療も併用することがあります。
歯は三層構造をしています。(エナメル質・象牙質・神経)
一番外層のエナメル質は固く内部への刺激を遮断する役目があります。
なので歯を削りすぎてエナメル質が薄くなりすぎてしまうと知覚過敏などの症状がでたり、むし歯になりやすくなってしまうこともあります。
矯正治療における歯の削合では、上記のような心配がないようエナメル質の厚みを考慮し削合を行うこととなります。
歯が大きい外国人を標準としている兼ね合いもあるのか、推奨される削合量だと多すぎることもあります。日本人の歯の大きさや解剖学的特徴を理解して治療計画を立てることが大切です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)の矯正治療の途中で、歯にポチっと丸い装置が付くことがあります(写真赤矢印)。樹脂でできている白いものと銀色の金属製のものがあり、見た目や外れにくさを考慮しどちらも使用する可能性があります。
このボタンは、インビザラインの補助装置でもある「エラスティック」や「顎間ゴム」(写真青矢印)と呼ばれるゴムを使用するために装着します。アライナー自体にもゴムをひっかけることができるカット(切れ目)が入っている場合もあり、ボタンやカットを利用してゴムをかけて頂きます。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)の矯正治療では苦手な動きや、起こりやすい問題があることはわかっています。その代表例として前歯の2番目の歯の動きが悪いことが挙げられます。特に歯を挺出(咬む面の方向・歯が生える方向に動かす)させるような動きをさせたいときに、治療計画通りに動いてこないことがあります。
その場合、しっかりとアライナーチューイーを噛んでフィットさせるという方法を試みますが、それでも動かない場合は、ボタンとゴムを使用することがあります。
特に上の前歯で起こりやすいので、一時的に審美的な問題が起こりますが、治療計画通りに歯を動かすために下の写真のように、歯の表面にボタンをつけ、アライナーに付与したカット部分にゴムをひっかけ、歯を動かしていきます。
先ほども記載していますが、マウスピース型矯正装置(インビザライン)の矯正治療では苦手な動きがありアライナーの使用だけでは、動かすのにかなりの時間を要する、もしくは動かすことができないという問題に直面することがあります。
ボタンやゴムといった方法で改善しない場合は、一時的にワイヤーを使用することがあります。
一時的にワイヤーを使用することが治療当初から予定している場合もあれば、動きが悪いため治療計画に途中から組み込むこともあります。
「ワイヤーは絶対に使用しません!」という歯科医院様もお見受けしますが、それではどうしても理想的な治療が困難であることは治療経験や臨床報告からも明らかであるため、当院でマウスピース型矯正装置による治療を希望される場合は、歯の動きが悪い場合はワイヤーなども使用する可能性もご理解いただいた上で進めさせて頂いています。一時的にワイヤーを使用する場合も基本的にはアライナーを併用していただくため、アライナーを一部カットして使用していただくようになります。