2025.05.10
こんにちは、大阪の阪急茨木市駅前のみやの矯正・小児歯科クリニックです。
今回は「インビザラインが得意な歯並び」というテーマでお話したいと思います。
透明のマウスピース型のアライナーを歯に装着して歯並びを矯正する矯正装置をマウスピース型矯正装置と呼びます。インビザラインはその一つで、世界で最も使用されているマウスピース型矯正装置です。
一人ひとりの歯に合わせて作製されるマウスピースを装着し、治療の段階に合わせて1週間から2週間ごとに新しい装置に交換していき徐々に歯を動かし、歯並びを矯正していきます。
インビザラインはワイヤー矯正と同様、歯並びを改善する装置です。
取り外しができるという矯正装置の特性上、インビザラインが苦手な矯正治療があるのですが、
逆にインビザラインが得意な歯並びもあり、ワイヤー矯正よりも簡便に矯正治療が可能であることがわかっています。
はさみ状咬合(シザースバイト)は上下がすれ違うように噛みこんでしまうと非常に動かすのが大変になります。
インビザラインであれば上下のマウスピースの厚みのおかげで上下のロックを開放した状態で歯を動かすことができるため容易に動かすことが可能です。
従来のワイヤー矯正であれば、はさみ状咬合の噛みこみが深い場合、手前の歯を支えにかみ合わせを挙上し、はさみ状咬合の歯を浮かせるように対応しながら、歯を動かす必要があり複雑な装置が必要となりました。
インビザラインははさみ状咬合の治療が得意であることは間違いがないのですが、注意が必要なこともあります。
インビザラインは食事中にマウスピースを外すため、食事時には改善している最中の歯が早期に接触してしまい、食事がかなりとりづらいことがあります。
そのようなトラブルがあった場合には、都度対応が必要となります。
正中離開・すきっぱは前歯の問題と思いがちですが原因は奥歯の噛み合わせにあること多いです。
前歯だけで改善できる場合は部分矯正やダイレクトボンディングで対応可能ですが、噛み合わせに原因がある場合は全顎矯正が必要となります。
前歯のすきっぱなど、歯列を絞っていくように動かす治療はインビザラインは得意な動きとなります。
ただしすきっぱの隙間が大きすぎたり、抜歯矯正のような歯の移動量が大きい場合には、そのスペースに歯が倒れこむようにうごいてしまうので注意が必要となります。
ワイヤー矯正でもすきっぱは難しくない矯正治療です。
ワイヤー矯正の場合には歯磨き残しがしやすく歯茎が炎症を起こしたり、むし歯リスクにも注意が必要となります。
前歯で噛めない・開咬はワイヤー矯正では最も難易度が高く複雑な治療でした。
インビザラインは開咬治療が得意な矯正装置です。
歯並びによって得意な装置を選択することで治療の難易度を下げることができます。
ワイヤー矯正の場合インプラントアンカーが必要であったり抜歯部位もイレギュラーになることもあります。
ただし、開咬がみなインビザラインで改善できるかというとそうではありません。
噛む力が弱く、咬合力がかからない方や、そもそも骨格的な問題が強く歯の動きのみで改善できない場合は、インビザラインを使用しても改善が難しいこともあるので、矯正前にきちんと診断を行うことが大切です。
インビザラインは歯を動かす矯正装置であり、医学的な原理原則からみるとワイヤー矯正と大きく変わるものではありません。
昨今のインビザラインに関するトラブルをみると、インビザライン自体が「目的」になっているのではと感じます。
あくまでも矯正治療の目的は「歯並びを改善すること」です。
その目的のためにの手段としてワイヤー矯正やインビザラインがあるだけであり、その中でインビザラインが得意な歯並びはインビザラインで治療するほうが良いですし、抜歯矯正のようなインビザラインが苦手な矯正治療をわざわざインビザラインで治療する必要はないので、当院では抜歯矯正の場合は、抜歯矯正が得意なワイヤー矯正を選択しています。
お子さんの生え変わりや歯並びのことなど、ご不安な点や、気になる点があれば一度ご相談ください。
みやの矯正・小児歯科クリニック
大阪府茨木市別院町4-15 別院町・掛谷第6ビル
みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木)
院長宮野 純一Junichi Miyano