小児矯正における拡大床・床矯正の危険とトラブル

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小児矯正における拡大床・床矯正の危険とトラブル

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小児矯正における拡大床・床矯正の危険とトラブル

小児矯正における拡大床・床矯正の危険とトラブル

こんにちは、大阪の阪急茨木市駅前のみやの矯正・小児歯科クリニックです。

矯正治療をすすめていくにあたり「拡大床・床装置・プレート装置」の使用を勧められたと相談に来られる方が多いため、今回は拡大床という装置についてのお話です。

 

拡大床は危険?

タイトルにもありますように拡大床装置を使用したトラブルは後を絶ちません。

日本臨床矯正歯科医会のホームページにも掲載されており、非常によくまとめられています。

下記の画像は上記ホームページから引用させていただいております。

矯正歯科医会前広報理事の三村 博先生もこのホームページ上で

”「拡大装置のひとつである拡大床とは、あごを広げるものではなく、歯を外側に傾斜させて歯を拡大させるために使うものです。そのため適応症は限定され、どのような患者さんにも使える万能の装置では決してありません」”

とおっしゃられています。

 

聞こえのいい謳い文句

以下日本臨床矯正歯科医会HPより引用

・「あごを広げるから歯を抜かずに矯正ができる」

・「取りはずしができて人目につかない」

・「夜間と数時間だけの使用でよいから負担にならない」

・「簡単に治る」

・「治療費が安い」

……といった謳い文句で歯科医からすすめられ使用した結果、歯並びが改善しないばかりか「かえって症状が悪化した」、「装置をはずしたら元に戻った」というトラブルが続発しています。

「本来、矯正歯科治療は患者さん一人一人に合わせたオーダーメイドの治療であり、その方の状態に合った適切な治療を行うためには、矯正歯科治療についての専門教育と研修、経験が不可欠です。しかし、昨今は口腔機能の向上という医療の目的よりも、治療を商業的に捉える診療所があり、わずか1日の矯正歯科セミナーで矯正歯科治療を学び、適切な検査や診断なしに既成の装置(咬合誘導装置)を使って、簡単に治療を行ってしまうケースがあるのです。このことを、我々は非常に憂慮しています」”

と注意喚起が行われています。

 

拡大床・床装置は補助装置

成長期における矯正治療いわゆる小児矯正では、顎の成長を利用して顎を広げる「床矯正」という治療を行うことがあります。顎を広げるという言葉を使用していますが、厳密には「歯」を広げる装置です。

一般的に床装置に拡大ネジがついた拡大床という装置を用いて、歯並びを整えるための隙間を作る方法です。使用時間が短いこと、夜間の使用になるので装置が目立たない、歯を抜かないで矯正できるというメリットがあります。問題は全てのお子さんが床矯正で矯正できるわけではなく、ほんの一部の患者さんにのみ適用されるということです。

しかし、先述した聞こえのいい謳い文句を並べ、きちんと検査もせずに床矯正を始める例があります。歯を外側に傾斜移動させて歯列を拡大する方法なので、広げる量によっては歯だけが斜めに広がり、歯が歯槽骨から出てしまい歯肉退縮を引き起こしたり、口元を突出させてしまうといったトラブルを引き起こします。

経験を積んだ矯正歯科医の多くは床矯正を矯正治療の補助的な装置として捉え、メインの装置として扱うことはありません。小児矯正では、大人の方の矯正とは異なり、成長期特有の顎の成長や、歯の角度や向きなどのバランスを考えて治療する技術が必要となります。非抜歯治療として床矯正を勧めることで上記のような失敗例が多く発生していることが大きな問題となっています。

 

拡大床・床装置を勧められたら?

先ほどから何度も記載しているように、拡大床は歯を広げる装置です。顎を広げる装置ではありません。歯を広げるためにこの装置の使用が望ましい場合もあるため、床装置がすべて悪いわけではありません。どのような目的で使用するのかしっかり確認をしましょう。

その際のチェックポイントとして

・検査とそれに伴った診断、カウンセリングがない

・検査の前に装置が決まっている

・矯正装置の選択肢がほとんどない

・床装置もしくはマウスピース装置しかすすめられない

上記のいずれかに当てはまる場合は少し注意をして下さい。

それは検査・診断をしてすべての問題点を整理し使用する装置や治療時期が決定するはずであること、装置の種類によりメリットデメリットや効果が異なるため、通常は様々な装置を状況に応じ使い分けるため、診断結果に基づきなぜその装置を選択するのか理由があり、それをきちんと説明するのが診断であるからです。

床装置の怖いところは、歯並びが改善しないだけでなく、かえって悪化すること、場合によっては取り返しのつかない状況に陥ってしまうこともあります。用途を守れば便利な包丁が時には凶器となってしまうようなイメージでしょうか。

日本臨床矯正歯科医会HPに非常に良くまとめられていますので、ぜひご覧ください。

Vol.18 拡大床を使った矯正歯科治療の危険とトラブル:トレンドウォッチ:本会の活動・ニュース|矯正歯科専門の開業医団体「日本臨床矯正歯科医会」 (jpao.jp)

 

お子さんの生え変わりや歯並びのことなど、ご不安な点や、気になる点があれば一度ご相談ください。

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