多数歯先欠・6歯以上の先天性部分無歯症の矯正治療

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多数歯先欠・6歯以上の先天性部分無歯症の矯正治療

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多数歯先欠・6歯以上の先天性部分無歯症の矯正治療

多数歯先欠・6歯以上の先天性部分無歯症の矯正治療

こんにちは、大阪の阪急茨木市駅前のみやの矯正・小児歯科クリニックです。

今回は多数歯先欠・6歯以上の先天性部分無歯症の矯正治療についてのお話です。

 

多数歯先欠とは

元々、永久歯の数が少ないことを永久歯の先天性欠損と呼びます。

乳歯が抜けると永久歯が生えてくるものと通常思ってしまいますが、2010 年の小児歯科学会の大規模な疫学調査の報告によると第三大臼歯(親知らず)を除く永久歯の先天性欠如の発現頻度は10.09%と報告されています。なんと10人に1人もの方が、永久歯が少ないことがわかったのです。

この永久歯の先天性欠損が、複数の歯に起こることを多数歯先欠と呼びます。

 

多数歯先欠の治療方法

①できるだけ乳歯を温存する

まず永久歯の先天性欠損に対する治療方法としての第一選択が、①の乳歯をできる限り温存する方法が挙げられます。

ここでよく遭遇するケースとして、

「とりあえず永久歯への生え変わりがすすまないと乳歯が使えるかわからないし経過観察していた」というパターンです。

そういう状況の場合もよくありますが、早期から矯正治療を行い、積極的に乳歯を温存できるようにしていくという方法も検討したうえで、どういったタイムスケジュールで何をすべきなのかを長期的な視点から計画していく必要があります。

 

②乳歯を抜歯して、矯正治療でスペースを閉じていく

抜歯することにより空いたスペースを、矯正治療によって閉じていきます。

スペースを閉じきることが可能であれば、将来的に人工物でスペースを補う必要がなくなるという最大のメリットがあります。

 

③インプラントやブリッジなどの欠損補綴で対応する

上述した①や②の方法で対応しきれない場合に人工物による治療が必要となります。

インプラントやブリッジといった欠損補綴は成長が終了しないとできないため、その間は入れ歯治療を行う場合もあります。

 

④多数歯先欠の治療方法は上記の組み合わせ

歯が複数本欠損している多数歯先欠の治療は、このように治療するという決まりはありません。

それは欠損の数や、部位、骨の状態が人によって大きく異なるため、一人一人それぞれの治療計画を立てる必要があるからです。

特に矯正治療でスペースを閉じることは非常に有効な方法ではありますが、一般的には歯1本分のスペースを閉じることが限界なことが多いです。

つまり、多数歯先欠が5本以上であったり、4本以下でも連続する歯が先天性欠損している場合は、矯正治療だけでは閉じきれない場合が多いです。

 

治療例1 7本先欠の場合の治療例

一般的には2本目の歯や、5本目の歯が先天性欠損する場合が多いですが、多数歯先欠の方の場合、連続した歯が欠損することも少なくありません。

上記症例のように、連続した欠損がある場合は、矯正治療にてすべてスペースを閉じることは難しいことが多いです。

また、前歯部の乳歯は臼歯部の乳歯を比べて温存できず、早期に脱落してしまうことも多いです。

ですので、治療例のように、上下左右1本ずつスペースを閉じ、残った3本分のスペースのうち、臼歯部は乳歯を使用し、前歯部はインプラントやブリッジといった補綴処置で治療せざるを得ないことが想像できます。

奥歯の乳歯の部分は、乳歯が持たなくなったタイミングで、前歯部と同じようにインプラントの治療が必要となるため、トータル3本のインプラントが必要となる可能性が高いです。

 

治療例2 6本先欠の場合の治療例

先ほどの例では、連続した欠損の部分は矯正治療にてスペースを閉じることは難しかったですが、本症例のような下顎の前歯部の場合は、乳歯のサイズがかなり小さいこともあり、条件がそろった場合には矯正治療にて連続した部分のスペースを閉じることも可能なことがあります。

また下顎の臼歯のスペースに関しても、前歯にてスペースを閉じてしまっている場合には臼歯部はスペースが閉じきれないことも多いですが、受け口や出っ歯など骨格的な問題との兼ね合いで矯正にてスペースを閉じることができます。

一概には言えませんが、

・受け口傾向あり=下のスペースは閉じやすい(上のスペースは矯正にて閉じにくい)

・出っ歯傾向あり=上のスペースは閉じやすい(下のスペースは矯正にて閉じにくい)

ということが多いです。

多数歯先欠の場合少しイメージしにくいですが、1本だけ先天性欠損がある場合、

上の歯が出ている出っ歯タイプの方が、下の歯が1本少ないと、さらに出っ歯となってしまうため治療がかなり難しくなるのと同じようなイメージです。

 

治療例3 7本先欠の場合の治療例

治療例1や治療例2と同様に考えると、治療例3は1本分矯正にてスペースを閉じていくため、2本欠損の右上は1本分は乳歯を使用、左上は3本欠損しているため2本は乳歯を使用したいところですが、前歯の乳歯は早期に脱落してしまうことが多いため、早い段階で前歯の部分は欠損補綴処置が必要となる可能性が高いです。

骨格的な問題が大きい場合や歯列の狭窄が顕著な場合、上下顎の大きさのギャップが大きい場合、歯牙の位置が非常に悪い場合など、条件が厳しくなると歯の移動だけでは対応できない場合があります。その際は、矯正にてスペースを閉じる箇所や乳歯を残す箇所、欠損補綴の箇所を上記治療計画のようにしていくために、外科矯正手術にてバランスを合わせる必要があります。

 

健康保険が適応する矯正治療

矯正歯科治療は一般的には保険適用外ですが、6歯以上の先天性部分無歯症の場合や、顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る)の場合に保険診療の対象となります。

言い換えると、5歯よりも先天性欠損が少ない場合は健康保険の適応とはならず、自費治療となります。

また5歯よりも先天性欠損が少ない場合でも、骨格的な問題が大きく、顎離断などの手術が必要となる顎変形症の方は、健康保険の適応となります。

これら保険適用される矯正歯科治療を行える医療機関は、厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関のみになりますので、当院では保険適応の矯正治療を行うことはできないため、大阪大学や大阪歯科大学へ紹介となります。

 

お子さんの生え変わりや歯並びのことなど、ご不安な点や、気になる点があれば一度ご相談ください。

矯正治療専門のむし歯治療やクリーニングもできる歯科医院

みやの矯正・小児歯科クリニック

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