内側から生えてくる永久歯

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内側から生えてくる永久歯

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内側から生えてくる永久歯

内側から生えてくる永久歯

こんにちは、大阪の阪急茨木市駅前のみやの矯正・小児歯科クリニックです。

今回は内側から生えてくる永久歯についてお話していきたいと思います。

 

歯が生えてくる過程

歯が口の中に生えてくる前に顎の中で歯胚と呼ばれる歯の卵が成長します。その歯胚が歯の頭(歯冠)の形成に引き続いて歯根(歯の根っこ)の形成が一定程度(1/3~1/2程度)進むとようやく歯胚が萌出運動を開始 しだし、歯冠の一部が歯肉から露出してお口の中に見えてきます。

この過程の中でさまざまなトラブルが起こりますが、今回のテーマである内側から生えてくる永久歯という問題は正しい歯の位置にはえてこない異所萌出というトラブルになります。

 

異所萌出とその原因

異所萌出とは、「本来萌出すべき位置や部位以外に萌出する歯」と定義されています。

異所萌出の原因として、

①歯胚の位置や方向の異常

②乳歯の根尖病巣による歯槽骨の異常吸収

③乳歯の早期脱落

④乳歯の晩期残存

⑤顎骨の発育不全

などが考えられます。

この中で②の問題であれば、乳歯でもしっかり根管治療を行うことで歯槽骨の吸収を防ぎ予防することが可能です。場合によっては乳歯を早めに抜歯しないといけないこともあります。次の写真は黄色矢印の箇所が乳歯のむし歯が大きく、後続の永久歯がいがんでしまっている状態です。

 

③の乳歯の早期脱落による異所萌出を防ぐために、保隙装置と呼ばれる脱落後のスペースを保つ装置が必要な場合もあります。

乳歯は次の永久歯が生えてくるためのスペースを確保する役割を果たすため、早く抜けすぎてしまった場合はリンガルアーチやバンドループ、ナンスのホールディングアーチといった装置を使用して保隙を行います。

 

乳歯から永久歯へ生えかわる際に、歯のアーチから外れて裏側から永久歯が生えてくるケースはは非常によくあります。通常であれば新しい永久歯が乳歯の真下から生えてくるため、乳歯が吸収されゆれてきて抜けてしまいます。このような④乳歯の晩期残存による異所萌出を防ぐために、タイミングをみて乳歯の抜歯が必要な場合があります。基本的には乳歯を抜いてしまえば内側から生えてきていた永久歯もある程度正しい位置には移動してきますのでご安心ください。ただし後述する⑤顎骨の発育不全がある場合はそもそものスペースが不足しているため永久歯がきれいに並びきることはありません。

 

⑤顎骨の発育不全は、顎の大きさだけでなく歯の大きさも非常に関係しています。

下の一番前の中切歯と呼ばれる歯は、小さい方だと5.0㎜より小さく、大きい方だと6.0㎜よりも大きくなります。

一つ一つの歯が1㎜以上差があるため、歯が小さい方は比較的収まりやすいですし、歯が大きい方は必然的に顎がかなり大きくないと収まらないということになります。

顎のサイズと歯のサイズのバランスがあっていない場合、必ずどこかの歯が入らないためどこかの歯にしわ寄せが来ます。

次の写真はスペース不足が前歯にでてきている例です。

 

次の写真はスペース不足が3番目の犬歯にでてきている例です。いわゆる八重歯のような状態になっています。

 

次の写真はスペース不足が5番目の小臼歯にでてきている例です。奥歯が内側や外側に傾斜してしまうため、舌や頬が痛いといった問題もでることが多い状態です。

片顎の歯だけで判断できない

例えば、下の前歯が中に入ってしまう原因として、上の歯の位置の問題が挙げられます。

上の歯にスペース不足があるとガタガタとなり、歯が中に入ってしまう場合があります。(赤矢印)

そうするとそこと噛みこんでくる下の歯も必然的に動かされ、下の歯もガタガタとなってしまいます。(黄色矢印)

この問題をお口の中の問題と認識せずに下の歯だけを改善してしまうと、治療を行うことで噛み合わせをより悪くしている場合もあります。

下の歯だけを改善したいと希望されても、医学的な判断から難しい場合もあるということです。(その場合は必ず上顎も治療しないといけない)

 

小児期の意味のない異所萌出改善の治療例①

スペースの総量が足りていない場合、必ずどこかでそのスペース不足分のしわ寄せが起こります。

もし次の写真のように下の前歯が4本生え変わった段階でガタガタがありスペース不足のしわよせがすでに起こっていたとします。

ここで全く意味のない治療が下の前歯を後ろから押して排列することです。

この時期にこの治療を行うとすぐに前歯は並ぶため一見すると治療を行ってきれいになってよかったと思いがちです。

しかし、スペースの総量が変わる治療ではないため、前歯がスペースを使ってしまうことでこれから2,3年間で生えてくる犬歯や奥歯のスペースを奪っているだけになり、結果的に奥歯のスムーズな生え変わりを阻害してしまったり、より問題を複雑化してしまうことも多いです。

このタイミングで行うべき治療は細かい歯の排列を気にするのではなく、スペースの総量を増やす治療が適用となります。

「木を見て森をみず」とはまさにこのような治療のことを指し、目先の問題に惑わされず最終的に最も効率よく治療が行えるように治療計画を立てる必要があります。特に下の前歯は歯石がつきやすい問題はあるもののむし歯になることはほとんどないエリアです。「ガタガタがあると磨きにくくてむし歯になっても困るから今のうちに治しておいたほうが良い」と矯正をすすめられることもあるようですが、全部生え変わってから奥歯と一緒に治療を行った方が合理的な場合がほとんどだと思います。

 

小児期の意味のない異所萌出改善の治療例②

スペースの総量が全く足りていない場合、いくら小児期に拡大治療などスペースを獲得しても入りきらない場合もよくあります。

そういった場合はほとんどの場合で全部永久歯に生え変わった後に小臼歯と呼ばれる歯を抜歯し、そのスペースを利用して前歯などガタガタの部分をならべていくようになります。

そのためまだ生え変わり途中である小学生中学年頃に下の前歯がガタガタだから気になると言って、そこの部分の治療を行ってもなんの解決にもならないのです。

 

耳当たりの良い誘い文句に注意

以下日本臨床矯正歯科医会HPより引用

”・「あごを広げるから歯を抜かずに矯正ができる」

・「取りはずしができて人目につかない」

・「夜間と数時間だけの使用でよいから負担にならない」

・「簡単に治る」

・「治療費が安い」

……といった謳い文句で歯科医からすすめられ使用した結果、歯並びが改善しないばかりか「かえって症状が悪化した」、「装置をはずしたら元に戻った」というトラブルが続発しています。

「本来、矯正歯科治療は患者さん一人一人に合わせたオーダーメイドの治療であり、その方の状態に合った適切な治療を行うためには、矯正歯科治療についての専門教育と研修、経験が不可欠です。しかし、昨今は口腔機能の向上という医療の目的よりも、治療を商業的に捉える診療所があり、わずか1日の矯正歯科セミナーで矯正歯科治療を学び、適切な検査や診断なしに既成の装置(咬合誘導装置)を使って、簡単に治療を行ってしまうケースがあるのです。このことを、我々は非常に憂慮しています」”

と注意喚起が行われています。

咬合性外傷や歯肉退縮といった特殊な状況を除き、小児期の下の前歯のガタガタを改善する合理的な理由はほとんどありません。

「今しかできないよ」、「大人になってからだと大変だよ」という誘い文句に注意が必要です。

矯正治療の方法はひとつではなく、また考え方も様々です。

色々な先生の話を必ず聞き、ご自身が納得できる歯科医院で治療を行っていただけたらと思います。

 

 

お子さんの生え変わりや歯並びのことなど、ご不安な点や、気になる点があれば一度ご相談ください。

茨木・高槻の矯正歯科専門医院

みやの矯正・小児歯科クリニック

大阪府茨木市別院町4-15 別院町・掛谷第6ビル

Junichi Miyano

みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木)

院長宮野 純一

Junichi Miyano

2006.3
大阪星光学院高等学校卒業
2012.3
大阪大学歯学部卒業
2020.8
みやの矯正・小児歯科クリニック開院

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