2024.11.05
こんにちは、大阪の阪急茨木市駅前のみやの矯正・小児歯科クリニックです。
今回は矯正歯科専門の歯科医院とその他の歯科医院の違いについてお話したいと思います。
マウスピース矯正の普及の影響もあり、矯正歯科治療を受けられる歯科医院が多くなってきました。
患者様からするとどのような違いがあるのかわかりにくいと思いますが、矯正歯科を標榜している歯科医院には大きく2つに分かれます。
①矯正歯科がメインの診療所
②一般歯科がメインの診療所
これらを判別する大きな目安はクリニックの名前です。
ほとんどの歯科医院では最も専門である内容が最初にでてきます。
具体的には
AAAA矯正歯科
BBBB矯正・小児歯科
CCCC歯並び矯正歯科
といった歯科医院が①に該当します。
一方で
DDDD歯科・矯正歯科
EEEE歯科・歯並び矯正歯科
といったような最初に「矯正歯科」とこない歯科医院は矯正歯科以外の治療が最も専門であることが多いでしょう。
それは他の業界をみてもわかりやすいです。
「餃子の王将」はやはり餃子がメインであると思いますし、
「ラーメン荘 地球規模で考えろ」はラーメンがメインであると思います。
医科でも普通であれば耳鼻咽喉科という名前のクリニックのイメージがありますが、「鼻」のみに特化した「鼻クリニック」という名前の病院もあります。
また名前に矯正歯科と標榜されていなくても矯正歯科治療が可能であるいわゆる一般歯科も多いです。
FFFF歯科
GGGGデンタルクリニック
これらはいわゆる一般歯科がメインのクリニックであることがほとんどだと思います。
矯正歯科専門の歯科医院だと、その歯科医院のトップである院長が矯正歯科医師であることがほとんどです。
一方で、矯正歯科専門以外の歯科医院の場合、
①一般歯科が専門の院長が、矯正治療も行っている
②院長とは別の矯正歯科専門の先生が勤務している
のどちらかのパターンになります。
また、②の場合に院長とは別の矯正歯科専門の先生が非常勤で月1回や2回きているパターンと、矯正歯科専門の先生も常勤勤務しているパターンがあるかと思います。後者のケースで多いのがスタッフやドクターの数が多い大型の歯科医院の場合と、旦那さんが一般歯科医師、奥さんが矯正歯科医師で夫婦でされている歯科医院の場合です。それ以外では非常勤の矯正歯科医師が治療を行ってるケースがほとんどだとおもいます。
矯正歯科治療の技術や治療方法は、矯正の先生個人の問題であり、このような大枠で判断するものではないため、どちらのほうが優れているというお話をしているわけではありません。
歯科医院のホームページには院長の経歴を記載することが一般的です。その中で出身高校や出身大学だけでなく、今までの勤務地を載せている歯科医院であることがひとつの判断材料になるかと思います。
矯正治療は治療開始から終了まで最低でも2-3年程かかります。他の一般歯科に比べ習得に圧倒的に時間がかかります。それゆえ、以前の勤務地が記載されている場合、その歯科医院が矯正治療を専門としていない場合は、どこでその矯正治療を学んだのかが不明瞭です。以前の勤務地のホームページを参考にされるのもひとつの方法であると思います。
非常勤矯正歯科医師が対応する歯科医院の一番のメリットは、毎回その担当矯正医がほとんどの処置をしてくれることです。
矯正専門歯科医院ではどうかというと、ほとんどの場合に矯正医は状態の確認と処置の指示が中心になります。矯正歯科では歯科衛生士が処置を行えることがかなり多いため、歯科医師自ら処置を行うことがかなり少なくなります。
衛生士ではなく歯科医師から直接処置を受けたいと考えている方は、この点は非常に重要となります。
また、処置の内容や矯正に関する諸々の説明もほとんどが矯正医から直接お話してもらえるでしょう。常勤のスタッフは矯正に関してあまり把握していないことが多く、矯正医が直接お話するしかないのです。
その他にも、矯正だけを行うクリニックではないため、
・矯正治療に関連したむし歯治療や抜歯治療も同じクリニックで受けられる
・定期検診やフッ素塗布を一緒にしてもらえる
・矯正治療を行っていない両親や祖父母、兄弟も一緒に診てもらえる
というようなメリットもあります。
矯正治療自体は、先述した通り衛生士が主体となって行うため、歯科医師から直接治療を受けられることは少ないでしょう。その一方で、スタッフもみな矯正治療に精通しているので、気軽にスタッフに矯正治療に関することを質問してもしっかり答えてくれる可能性が高いです。
矯正歯科専門医院であっても診断やカウンセリングは矯正医である院長自身が行うことが多いため、処置を衛生士がやってくれるおかげで時間ができしっかりと患者様とお話がしやすいというメリットがあります。
説明をしっかりしてほしいと考えている方には、重要なポイントかと思います。
インビザライン治療の“名医” 「レッドダイヤモンド」の正体
DIAMONDonlineでタイトルのような記事が出ていました。
以下記事より引用
インビザラインの「プロバイダー認定医」には、年間症例数によってランクがある。「レッドダイヤモンド」は年間症例数1000件以上の歯科医師に贈られる最上級のランクであり、「インビザラインを使用した矯正において、高い技術力と経験を有する医師であることを証明するものです」と記載して集患を行っていることに対して、インビザライン社は、このプロバイダー認定医は歯科医師の技量を担保するものではない。また、「歯科医師本人、クリニックの宣伝、および集患に用いることはできません。インビザライン・ジャパンではこれまでにも幾度となく注意喚起を行ってまいりました」と言っているとのことです。
このように多くの歯科医院で
1000症例以上のダイヤモンドプロバイダー認定矯正医が対応
50症例以上のプラチナプロバイダー認定
というHPやインスタの広告をよくよく目にします。
また、「他院で難しいと言われたかたも当院であればマウスピース矯正で治療可能」
「抜歯矯正はマウスピース矯正では難しいと言われた方も当院ではマウスピース矯正で治療可能」
「他院で難しいと言われた難症例も当院なら矯正治療可能」
という広告もかなり多い印象を受けます。
しかし、これらの広告を行っている歯科医院はほとんどが矯正専門の歯科医院ではなく、矯正以外の診療も一緒に行っている歯科医院であると感じています。こういった広告を行っている先生の中には、非常に優れた技術を持っている先生も多くいらっしゃいますが、そうではない先生も交じってしまっているためマウスピース矯正でのトラブルが後を絶たないのだと思います。
ワイヤー矯正は100年以上の歴史があり、矯正を専門とする先生は私も含め、研修医からずっとその勉強を行ってきています。
ワイヤー矯正できちんときれいに治療する技術を習得し、ほとんどの症例でワイヤー矯正で治療を行ってきているはずです。
数年前よりマウスピース矯正治療が急速に普及してきましたが、マウスピース矯正でも歯を動かすという基本概念は一緒なのである程度のクオリティで治療することは可能ですが、多くの症例でワイヤー矯正のクオリティに比べると劣ってしまうと感じているのだと思います。それはワイヤー矯正であればかなり高いレベルで改善できるという自負でもあると思います。
インビザラインのようなマウスピース矯正が非常に向いている歯並びもあります。
代表されるのが開咬と呼ばれる歯並びです。
開咬はワイヤー矯正では非常に難しい矯正治療と言われていましたが、インビザラインであれば特に難しい点はなくきちんと計画を立てればきれいに改善していく印象を抱いています。ですのでインビザライン自体が悪いと思っている先生は少ないとは思います。
きれいに改善できるワイヤー矯正の技術があるのであれば、あえてマウスピース矯正を選択する必要がない
というのが多くの矯正歯科専門医院の考えだと思います。
DIAMONDonlineでこのようなことも書かれていました。
あたかも矯正のエキスパートかのように解釈されているインビザラインのプロバイダー認定医制度の正体とは何なのか。複数の矯正専門の歯科医師たちが「1人で年間1000症例をこなせるとは思えない」と首をかしげる、年間症例数の積み上げの裏側にも迫る。
この記事に書いてあるように、私も年間1000人もの人数を「きちんと」診ることは不可能だと思います。
当院は院長が一人、衛生士が数名の小さなクリニックですが、すべての患者をきちんと診るためには矯正治療を新規で受ける患者数が年間100名あたりが限界だと感じます。
院長が自分自身できちんと管理、把握するには、単純にスタッフの数を増やしても無尽蔵に「きちんと診れる」患者様の数を増やしていけるわけではないと思います。
昨今の流行りであるインビザラインとの関わり方の違い、患者さんを診ている数といった観点からも矯正歯科専門歯科医院とその他の歯科医院で大きく違っていると思います。
お子さんの生え変わりや歯並びのことなど、ご不安な点や、気になる点があれば一度ご相談ください。
みやの矯正・小児歯科クリニック
大阪府茨木市別院町4-15 別院町・掛谷第6ビル
みやの矯正・小児歯科クリニック(大阪・茨木)
院長宮野 純一Junichi Miyano